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camenoco marche
camenoco marché(カメノコマルシェ)は、九州産の上質な有機野菜を販売するオンライン市場です。

安全信仰の先にある野菜本来の姿

吉村 芳則  Yoshinori Yoshimura

 “流儀”という言葉を、吉村さんはよく使う。有機栽培に取り組んでいる農家についても、化学肥料を使って安価な野菜を大量生産している農家についても、「人それぞれに流儀があるから」と否定することも肯定することもない。その言葉の裏には、同業者に対する吉村さんらしい気遣いもあるのだろう。だが、そこには彼が実践している『満天農法』が、こうした有機栽培か否かといった二元論とは、まったく異なる次元にあるからのようにも受け取れる。

 吉村芳菜農場がある福岡県糸島市には、近郊で採れた新鮮な食材を販売するJA糸島産直市場『伊都菜彩』という商業施設がある。ここには連日、福岡県内はもちろん、県外からも有機野菜をはじめとする良質な食材を求めて多くの人々が訪れるという。九州においても、糸島産の農産物・畜産物は現在、大きな注目を集めているのだ。当然のことながら、ここで販売されている野菜の数々は、同じ地域で活躍する生産者一人ひとりによる努力の結晶である。だが、その中にあってまず完売するのが、『満天農法』のシールが小さくぽつんと貼られた野菜なのだ。

日々土に触れ、時には道具までつくるという職人の手は、いつも傷だらけである。【写真左/右上】
人参の栽培は、タネづくりから取り組んでいる。取材をおこなった6月は、その花が満開だった。【写真右下】

 食の安全性について敏感になるあまり、我々はいつしか「有機野菜=安全で美味しい」というステレオタイプに陥ってしまってはいないだろうか。『伊都菜彩』の話を聞き、ふとそのような疑問が頭をよぎった。そもそも有機栽培とは、化学肥料や農薬を控え、主に有機肥料を使って農作物を育てる栽培法のことである。確かに大量の農薬が使われた野菜よりも安全性は高いが、「だから美味しい」という理論は成り立たない。

 有機栽培であるか否かに関わらず、人々が選ぶ野菜とはどういうものか。吉村さんの目は、野菜の栽培を本格的に始めた十数年前から、すでにその一点に向けられていた。「土づくりだ」と素っ気なく語る栽培法そのものは、もうその頃には確立されていたそうだ。しかし、そこから『満天農法』というブランドが立ち上げられるまでには、およそ6年もの歳月が費やされる。その間、彼は消費者のニーズと栽培のサイクルを合わせながら、上質な野菜を安定供給できる生産モデルを確立するための試行錯誤を繰り返していたのだ。


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